下天秤ウイングばね式
軸箱の案内は軸箱守(=ペデスタル,pedestal)に拠っており,外観もウイングばね式とそっくりである。前項の上天秤ウイングばね式と同様に軸箱と軸箱体を独立させて軽量化を図る目的と,ウイングばねのバランスをとる為に天秤(=イコライザ,equalizer)機構が組み込まれている。すなわち軸箱の下部にピン(下図の赤色部分)を用いて天秤状のばね受け(下図の青色部分)を設けてウイングばねを保持する方式で,この天秤の働きによって両側のコイルばねのアンバランスによる軸箱の傾きを防ぎ,軸箱守の異常磨耗を抑えることを目的としたもの。日立製作所製の台車で一時よく見られたが,ウイングばね式と比べて部品点数が増えたことが受け入れられなかったのか後が続かなかった。


上の写真は天秤式ばね受け部に差し込まれたピンの拡大写真です。このピンによって軸箱と天秤式ばね受けを結合しています。軸箱守の先端はこの天秤式ばね受けの内部へ入り込んでいることが判ります。
上の写真は天秤式ばね受けの内部を下側より覗きこんだものです。天秤式ばね受けは写真のように空洞となっており,下天秤の支点が構成されていることが判ります。また画面左右には軸箱と軸箱守の摺動部が確認出来ますが,思った以上に隙間が大きいことが解りました。
上の写真はやはり天秤式ばね受けの内部を下方より覗きこんだ写真です。写真中央左右に走る丸棒は左右の軸箱守をつなぐ軸箱守控です。軸箱より伸びた足が空洞となっているばね受けの内部へ入り込み天秤式ばね受けとこの足とをピンで縫って天秤を構成しています。

上は相模鉄道5100系が履いていた KH-22です。軸箱体の真下に下天秤ばね受けをつなぐピンが確認出来ます。





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